行きつけの店のマスターがくれたためいき
沙耶(40代半ば・在宅ワーカー / 相手は和也さん(行きつけの店のマスター)
残り香を、勘のいい相手に嗅ぎ当てられた。
結末から書いてしまったけど、経緯を最初から書かせてほしい。
まじで危ういと知りながら、気づけば足が止まらなかった。
夫とは、もう何年も「好き」と言われることも消えていた。
和也さんは行きつけの店のマスター。夫を裏切れない、と思うほど、目が離せなくなった。
和也さんの家に、置き忘れた社員証を取りに行っただけだった。
今でも忘れられずにいるのは、外の工事の、やけに規則正しい音が記憶の栞になっている。
時計は夜中の12時前を回ってて、それだけはっきり覚えてる。
で、困らせてやりたい、という悪戯心があった。
「どこまでするの?」
その日は生理前で、体がやけに敏感だった気がする。
指を絡めて握られ、下腹の奥が強張った。
耳元で名前を囁かれ、全身がぴくんと反応した。
「肌、そそるね」
スカートをそっと脱がされ、恥ずかしげもなく腰を揺らした。
ストッキングをそっと脱がされ、下腹の奥が勝手に浮き上がった。
太ももの内側を指の腹でこね回され、つま先が波打った。
膝の裏を舌先で舐め上げられ、肌がびくりと跳ねた。
脇腹に焦らすような指先を感じて、内ももがわなないた。
(はぁっ、ふるり、ぬちゃ)
「ふぁ…奥、離さないで…!」
「沙耶、汗すごいね」
和也さんが下腹部に指を沈めると、指先がぴくんと反応した。
和也さんが尖った乳首を手のひらで包み込むと、爪先がずくずくと疼いた。
耳たぶをきゅっと摘ままれるたびに、指の先から力が抜けた。
(くちゅくちゅ、ぬちゅ、ぷちゅ)
「はぁっ…おかしくなる〜っ」
小刻みに突き上げられ、ぐちゅんぐちゅんと激しい音が鳴り、耳の奥が強張った。
ゆっくりと押し入られると、ぱんぱんと肌のぶつかる音が響き、爪先が細かく痙攣した。
「奥まで来て…んあっっ」
「沙耶、まだ終わらせないよ」
浅いところを焦らすように擦られ、ぱんぱんと肌のぶつかる音が響き、指先から力が抜けた。
後ろから深く突かれ、内ももが小刻みに震えた。
最奥をぐりぐりと押し上げられ、ぱんぱんと肌のぶつかる音が響き、指の先が強張った。
「和也さん…ああっ…止めないで…」
頭の芯が痺れて、私の中が強く締まった。
「んあっ…うそ、見ないでぅ…」
特別扱いされて舞い上がって、夫の顔がまともに見られなくなった。
それからずっと、失ったものの方がずっと大きかった。
今でも外の工事の、やけに規則正しい音が鼻をかすめると、あの熱がぶり返してくる。