オフィスでのはじまり
成美(30代後半・主婦 / 相手は亮さん(行きつけの店のマスター)
でさ、胸につかえたままだから、吐き出させてほしい。
禁じられているという一点に惹かれて——止まる理由が、思いつかなかった。
っていうか必要とされたいという気持ちだけが、気づかないふりで蓋をしていた…
亮さんは行きつけの店のマスター。子どもに恥じない自分でいなきゃ、と自分に言うほど、逆に燃えた。
子どもの運動会の帰り、亮さんと二人で反省会になった。
必要とされている、その感覚に飢えていた。
「ずっと、こうしてて」
いまだに真っ先に浮かぶのは、明け方に鳴き始めた鳥の声だけは、なぜか。
うわ、書きながら少し後悔してる、けど続ける。
深く舌を絡められ、肌が芯から蕩けた。
「潤んだ目、堪らないな」
スカートをじれったいほど焦らして脱がされ、息がとろけそうになった。
背中のホックを焦らすように外され、肌が勝手にくねった。
濡れた下着をはだけられ、わたしはシーツを握りしめた。
亮さんが首筋を舌先で転がすと、枕に顔をうずめた。
濡れそぼった花びらを円を描くように擦られ、膝の裏が小刻みに震えた。
「我慢できない…は…っ…」
「腰つき、堪らないな」
内ももに容赦のない指を感じて、爪先がこわばった。
腰のくびれに熱を持った舌先を感じて、腰から下が勝手にくねった。
「んぅ…ねえ、もっと……」
きしむマットレスの音が響くなか、声がふわりと浮いた。
肌のぶつかる音に混じって、肌がふわりと浮いた。
亮さんが腰を強く打ちつけると、わたしは名前を何度も呼んだ。
「はぅ…奥、もう無理……」
「こんな一面あったんだ」
ゆっくりと押し入られると、わたしは泣きそうな声で訴えた。
亮さんがゆっくりと沈み込むと、気持ちを言葉にせずにいられなかった。
最奥をぐりぐりと押し上げられ、ベッドがきしむ音まで恥ずかしく響き、こめかみが細かく痙攣した。
「我慢できない…くぅっ…」
背中が大きくしなって、わたしは彼の腕の中でぐったりと脱力した。
「亮さん…はぅ…止まらない〜っ」
夫の腕の中で、別の人の手を思い出してしまった。
戻れない線を、自分から越えたのだと思う、誰にも打ち明けられない…
終わってみれば、普通の顔で会い続けるのが罰だった。
季節が巡って明け方に鳴き始めた鳥の声が蘇ると、時効にならない何かが疼く。