明け方に交わした余韻
遥(仮)(30代前半・専業主婦 / 相手は涼介(仮)さん(行きつけの美容師)
翌朝、避妊を確かめ合わなかったことに血の気が引いた。
先走って結果から書いたけど、そこに至るまでを順に話す…
夫の浮気を知ってしまった腹いせに——手を伸ばしたのは、私からだった。
この家では、特別扱いされることなんて思い出せなくなっていた。
涼介(仮)さんは行きつけの美容師。越えてはいけない一線だと、それでも会う口実を探している自分がいた。
街で偶然すれ違った涼介(仮)さんに、お茶に誘われた。
雨だれの音がうっすら聞こえてて、変に気が散った。
あれから強く残っているのは、洗い落とした香水のかすかな残りが記憶の栞になっている。
主導権を握っているのは自分だと、どこかで楽しんでいた。
首筋を吸われ、指の先がふわりと浮いた。
キャミソールをじれったいほど焦らして脱がされ、ねだるように彼を見上げた。
肩紐を引き下ろされ、爪先が波打った。
ストッキングを脱がされ、みぞおちが震えて止まらない。
潤んだ奥を転がすように弄られ、指先が震えて止まらない。
鎖骨のくぼみを小刻みに刺激され、わたしは自分から彼を引き寄せた。
腰のくびれに容赦のない指を感じて、膝立ちが崩れそうになった。
「涼介(仮)さん…見ないで…ひぅぅ…」
「乱れ方、反則だよ」
背中の中心をゆっくり撫で上げられ、わたしは自分から唇を求めた。
膝の裏にぬるりとした感触を感じて、息から力が抜けた。
敏感な芽をくすぐるように触れられるたびに、内ももがきゅうっと締まった。
(じん…、きゅん)
「あっ…ねえ、そこ弱いのっ…」
真上から腰を落とされ、お腹の底が小刻みに震えた。
後ろから深く突かれ、つま先がふわりと浮いた。
ゆっくりと押し入られると、うなじがひくついた。
(ぴちゃ、じゅわ)
「深いところ…ひぅぅ…」
「遥、もっとこっちに集中して」
涼介(仮)さんが腰を強く打ちつけると、肩が波打った。
涼介(仮)さんが浅い場所を焦らすように擦ると、自分の声とは思えない声が出た。
片脚を抱え上げられて深く繋がり、ぱんぱんと肌のぶつかる音が響き、膝がじんと熱を持った。
(じゅわ、とろとろ、くちゅくちゅ)
「涼介(仮)さん…やっ…そんな、溶けちゃうっ…」
こらえていたものが弾けて、わたしは小刻みに震え続けた。
「くぅっ…そこ、そこ弱いの…」
求められる悦びを知ってしまって、それでも夫への嘘だけが増えていく。
時間が経つほど、秘密がひとつ、重くなった。
不意に洗い落とした香水のかすかな残りを思い出すと、無防備ではいられなくなる。