一夜、友人の紹介で会った人と
楓(30歳・パート主婦 / 相手は達田さん(友人の紹介で会った人)
でさ、その場の勢いに流されて、手を伸ばしたのは、私からだった。
この家では、二人で笑うことなんて忘れていた。
達田さんは友人の紹介で会った人。お互い家庭がある相手だと、痛いほど自覚していた。
集まりの帰り、達田さんの車で送ってもらった。
いまだに焼きついて離れないのは、飲みかけで温くなった缶コーヒーだ。
……こんなの書いてる自分もどうかしてると思う……。
求められている実感に、溺れていった。
「置いていかないで」
首筋を吸われ、首筋から力が抜けた。
ブラウスのボタンを一つずつ外され、感じるたびに声がこぼれた。
ストッキングを脱がされ、腰が波打った。
うなじを熱い息でくすぐられるたびに、内ももが芯から蕩けた。
耳たぶに熱を持った舌先を感じて、腰の奥が焼けるように熱い。
(ぬちゃ、びくっ)
「ひぁっ…もう無理ぅ…」
「感じてる顔、色っぽいよ」
達田さんが下腹部にそっと歯を立てると、膝の裏が勝手にくねった。
脇腹を強く揉みしだかれ、胸の奥が小刻みに震えた。
(じゅわ、こくり、ぴく)
「深いところ…やっっ」
達田さんがリズムを上げて攻め立てると、私は彼の背に爪を立てた。
軋むヘッドボードしか聞こえないまま、思ったことがそのまま声になった。
達田さんがゆっくりと沈み込むと、指の先がひくついた。
(ずちゅん、きゅん、びくびく)
「んぅ…焦らさないでっ…」
「上気した肌、堪らないな」
達田さんが腰を強く打ちつけると、全身がびくりと跳ねた。
抜き差しを繰り返され、私は涙目になった。
リズムよく揺さぶられ、ぐちゅんぐちゅんと激しい音が鳴り、下腹の奥がじんと熱を持った。
(こく、はぁっ、ぴちゅ)
「はぅ…だめ、そこ弱いの、、、」
こらえていたものが弾けて、指先まで痺れが走った。
「ぁ…全部あげるっ」
既読がつかない数時間で、こんなに揺れる自分に驚いた。
背徳の甘さを覚えて、嘘をつく回数が増えた。
今になって思うのは、後悔と未練が同じ顔で並んでいた。
似たような場面で飲みかけで温くなった缶コーヒーを目にすると、あの熱がぶり返してくる。
時計は朝の4時を回ってて、それだけはっきり覚えてる。