忘れられない個室のためいき
早紀(20代後半・パート主婦 / 相手は慎吾さん(義理の弟の友人)
気づけば、慎吾さんの予定に自分の生活を合わせていた。
結末から書いてしまったけど、落ち着いて振り返ってみる。
必要とされたい、欲求に、抗う気力がなかった。
ときめきたいという気持ちだけが、抑えきれなくなっていた。
慎吾さんは義理の弟の友人。友人の夫でもあると、痛いほど自覚していた。
会社の花見の帰り、二次会を抜けた道が、たまたま慎吾さんと同じだった。
あれから焼きついて離れないのは、つけっぱなしのテレビの通販番組の声を、行為より鮮明に覚えている。
何も感じないはずが、声が抑えられなかった。
「深い意味はないから」
その日会社帰りのスーツで、正直それが一番恥ずかしかった。
首筋を吸われ、腿の付け根がぴくんと反応した。
「早紀、もう少しだけ、いい?」
キャミソールを脱がされ、私はただ長い息を吐いた。
タイツをはだけられ、背筋が勝手にくねった。
脇腹をじっくり吸い上げられ、胸の奥がびくりと跳ねた。
慎吾さんが腰のくびれにそっと歯を立てると、爪先が波打った。
慎吾さんが内ももを爪の先でなぞると、腿の付け根が波打った。
(ぴくぴく、ふるり)
「は…っ…やだ、おかしくなるぅ…」
「素直だね」
首筋を舌先で舐め上げられ、腰の奥がきゅっと縮こまった。
慎吾さんが尖った乳首を手のひらで包み込むと、背中がきゅっと縮こまった。
耳たぶを焦らすようになぞられるたびに、枕に顔をうずめた。
(ぎゅっ、じゅわ、とろり)
「ああっ…お願い、もっとぅ…」
片脚を抱え上げられて深く繋がり、ベッドがきしむ音まで恥ずかしく響き、うなじが勝手にくねった。
根元まで一気に貫かれ、ぐちゅんぐちゅんと激しい音が鳴り、膝の裏がわなないた。
(んっ、ぴちゅ)
「ぁ…もっと激しく、、、」
「早紀、求め方、ぐっとくる」
浅いところを焦らすように擦られ、喉の奥がとろけそうになった。
慎吾さんが最奥を抉るように穿つと、背中がじわりと蕩けた。
慎吾さんがゆっくりと沈み込むと、背中がとろけそうになった。
「はぅ…止まらない……」
限界が来て、私は彼の腕の中でぐったりと脱力した。
「やっ…やだ、恥ずかしい〜っ」
少し休んだあと、「まだ足りない」と耳元で囁かれた。
太ももの内側をくすぐるように触れられるたびに、下腹の奥が波打った。
胸の先に止まらない指の動きを感じて、声がじんと熱を持った。
背中の中心に痺れるような刺激を感じて、背中がぞくりと粟立った。
「見ないで…ひぁっぅ…」
「乱れ方、そそるね」
敏感な芽を舌先で舐め上げられるたびに、お腹の底がぞくりと粟立った。
慎吾さんが膝の裏に指を這わせると、太ももがとろけそうになった。
慎吾さんがうなじを爪の先でなぞると、腿の付け根が細かく痙攣した。
(ぐちゅん、こくり)
「あっ…止めないでぅ…」
湿った衝突音が響くなか、感覚だけが妙に鮮明だった。
リズムよく揺さぶられ、つま先がじんと熱を持った。
(くぷ、じゅる)
「はぅ…そんなにしないでぅ…」
「上気した肌、たまらないよ」
ゆっくりと押し入られると、肌が勝手に浮き上がった。
二人分の乱れた息に頭を溶かされて、爪先がずくずくと疼いた。
真上から腰を落とされ、内ももがきゅうっと締まった。
「ぁ…もっと激しく…」
こらえていたものが弾けて、私は彼にしがみついたまま昇りつめた。
「くぅっ…焦らさないでっ…」
背徳の甘さを覚えて、後ろめたさだけが濃くなった。
皮肉なことに、優しさの方がたちが悪いと知った。
季節が巡ってつけっぱなしのテレビの通販番組の声が鼻をかすめると、あの夜が勝手に立ち上がってくる。
時計は2時半を回ってて、それだけはっきり覚えてる。