SAの手ざわり
SA(20代後半・パート事務 / 相手はB夫さん(上司)
忘れてしまう前に、事実だけを綴っておく。
誰かの一番になりたい、だけが、私を突き動かしていた。
夫の隣にいても、同じ空気を吸う他人みたいだった。
B夫さんは上司。職場に知られたら終わりだと、分かった上で目をつぶった。
で、準備で二人だけ残ることになり、B夫さんとの距離が急に近づいた。
その日は緊張しっぱなしで、体がやけに敏感だった気がする。
他人事のように眺めていた自分が、崩れていった。
「割り切ってるでしょ、お互い」
指輪を外して置いたサイドテーブルの音だけが、時間に流されず残った。
強く抱き寄せられ、体の反応を他人事のように感じた。
そっと顎を掬われ、不覚にも声が漏れた。
濡れた下着を引き下ろされ、腰から下がぴくんと反応した。
キャミソールをはだけられ、お腹の底がふわりと浮いた。
ワンピースの背中のジッパーをそっと外され、抵抗する気力もなかった。
うなじに遠慮のない愛撫を感じて、あたしはただ長い息を吐いた。
下腹部を強く揉みしだかれるたびに、肩がきゅっと縮こまった。
(ぞくぞく、じゅる、ぷちゅ)
「はぁっ…ねえ、恥ずかしい、、、」
「汗すごいね」
脇腹をつぷりと押し開かれるたびに、指先が勝手にくねった。
B夫さんが尖った乳首にそっと歯を立てると、あたしは快感に溺れていった。
(ぐちゅん、ずちゅん)
「B夫さん…ふぁ…溶けちゃう……」
ゆっくりと押し入られると、ずちゅずちゅと濡れた音が漏れ、あたしは静かに目を閉じた。
根元まで一気に貫かれ、背中がふわりと浮いた。
B夫さんが浅い場所を焦らすように擦ると、背中が波打った。
「溶けちゃう…ああっ…!」
「とろけ方、堪らないな」
B夫さんが根元まで一息に押し込むと、指先が焼けるように熱い。
抜き差しを繰り返され、ぐちゅんぐちゅんと激しい音が鳴り、耳の奥がじわりと蕩けた。
一突きごとに体を揺らされ、胸の奥がとろけそうになった。
(ずぷ、ずちゅ)
「B夫さん…焦らさないで…は…っ…」
全身が硬直して、熱い波がゆっくり引いていった。
「は…っ…全部あげるっ」
で、スマホの通知を、見られてはいけない人に見られた。
で、欲しかったものを手にして、夫の顔がまともに見られなくなった。
冷静になると、失ったものの方がずっと大きかった。
とりあえずふとした拍子に指輪を外して置いたサイドテーブルの音に出くわすと、あの熱がぶり返してくる。