気だるい沼——エレベーターにて
彩音ちゃん(40代半ば・在宅ワーカー / 相手はKさん(元カレの友人)
鎖骨のくぼみを熱い息でくすぐられるたびに、あたしは涙目になった。
順番を無視して書き出したけど、ここで一度、時間を戻す。
まだ間に合ううちに、という気持ちで——自分でも驚くほど大胆になっていた。
しばらく前から、手を繋ぐことがぷつりと止まっていたことに、慣れてしまっていた。
Kさんは元カレの友人。近所でも噂になりかねない相手だと、分かっていて、それでも近づいた。
残業で二人だけになった夜、倉庫にコピー用紙を取りに行った。
止め忘れた蛇口の、ぽたぽたという音を、体の方が覚えている。
スマホ、床に置きっぱなしだったの今思い出した。
少しだけ、相手を試すような気持ちもあった。
唇が重なると、腰の奥がじわりと蕩けた。
指を絡めて握られ、胸の奥がじわりと蕩けた。
「彩音ちゃん、そんなに締めつけて」
シャツのボタンを一つずつ外され、内ももが焼けるように熱い。
ベルトを一つずつ外され、腿の付け根がきゅっと縮こまった。
濡れそぼった花びらに痺れるような刺激を感じて、声が震えて止まらない。
Kさんが敏感な芽に舌を這わせると、肌がぴくんと反応した。
Kさんが首筋を爪の先でなぞると、下腹の奥がこわばった。
(ぬちゅっ、くぷ)
「はぅ…もう、溶けちゃうぅ…」
「彩音ちゃん、怖くないよ」
潤んだ奥をきゅっと摘ままれるたびに、声がふわりと浮いた。
脇腹をねっとりと舐められ、みぞおちが波打った。
膝の裏を転がすように弄られ、胸の奥が細かく痙攣した。
「奥まで来て…ああっ〜っ」
繋がったまま抱き起こされ、内ももが細かく痙攣した。
真上から腰を落とされ、ぐちゅんぐちゅんと激しい音が鳴り、腰から下がぴくんと反応した。
(ぬぷぬぷ、ちゅっ)
「ふぁ…お願い、気持ちいいっ…」
「彩音ちゃん、もう限界?」
小刻みに突き上げられ、ずちゅずちゅと濡れた音が漏れ、みぞおちが小刻みに震えた。
肌のぶつかる音しか聞こえないまま、腰から下がずくずくと疼いた。
(きゅうっ、ぬちゅっ)
「ひぁっ…もっと激しく、、、」
何度目かの波で、涙が一粒こぼれた。
「Kさん…恥ずかしい…ああっ〜っ」
参観日で、相手と目が合わないよう必死だった。
あの数時間の私が、いちばん本当の私だった気がする、後悔と未練が同居している。
いやもう冷静になると、満たされたぶん、渇きも深くなった。
似たような場面で止め忘れた蛇口の、ぽたぽたという音が耳に届くと、無防備ではいられなくなる。