車の中での熱を帯びた沼
玲奈ちゃん(30代後半・歯科助手 / 相手は慎吾さん(マッチングアプリで知り合った人)
本気になってはいけない、と何度も自分に言い聞かせた。
つい核心から書いたけど、経緯を最初から書かせてほしい…
歳を重ねる焦りに背中を押されて、自分でも驚くほど大胆になっていた…
ここ数年、特別扱いされることが思い出せなくなっていたことに、慣れてしまっていた。
ちなみに飲んでたのは生ビール、たぶん3杯目。
慎吾さんはマッチングアプリで知り合った人。いい妻でいなきゃ、という縛りが、かえって甘くなった。
スマホに慎吾さんから深夜のメッセージが届いた。
今も強く残っているのは、枕元で何度も震えたスマホの通知音だけは、なぜか。
で、翻弄しているつもりが、いつのまにか逆だった。
「ふふ、可愛い顔」
そっと顎を掬われ、腰から下から力が抜けた。
唇が重なると、うなじがじんと熱を持った。
スカートをずらされ、つま先が細かく痙攣した。
ワンピースをそっと脱がされ、あたしはシーツを握りしめた。
胸の先を舌先で舐め上げられ、下腹の奥から力が抜けた。
背中の中心をつぷりと押し開かれるたびに、あたしは理性を手放した。
(ぐちゅ、くちゅん、ぞくぞく)
「離さないで…んっ…」
「玲奈ちゃん、震えてるの、かわいい」
尖った乳首をそっと甘噛みされるたびに、首筋が震えて止まらない。
脇腹を指の腹でこね回されるたびに、腰がじわりと蕩けた。
敏感な芽を強く揉みしだかれ、声を我慢する気なんてなかった。
(とろん、はぁっ、ふるり)
「慎吾さん…焦らさないで…はぅ…」
片脚を抱え上げられて深く繋がり、下腹の奥がじわりと蕩けた。
抜き差しを繰り返され、あたしは彼の首に腕を回した。
(ぷちゅ、ぬるり)
「離さないで…ふぁっ」
「そのまま、身を任せて」
小刻みに突き上げられ、気づけば彼を引き寄せていた。
軋むヘッドボードに混じって、肌が焼けるように熱い。
根元まで一気に貫かれ、ぐちゅんぐちゅんと激しい音が鳴り、「もっと」と口が勝手に動いた。
「は…っ…お願い、もっと激しく〜っ」
目の前が白く飛んで、あたしは何も考えられなくなった。
「やっ…ねえ、そんなにしないで〜っ」
ってか戻れない線を、自分から越えたのだと思う、夫への嘘だけが増えていく。
結局のところ、失ったものの方がずっと大きかった。
似たような場面で枕元で何度も震えたスマホの通知音が鼻をかすめると、あの夜に一瞬で引き戻される。