罪深い一夜に溺れて
涼子(40代前半・専業主婦 / 相手は和也さん(元同僚)
尖った乳首をじっくり吸い上げられ、指先がふわりと浮いた。
核心から始めてしまったけど、最初から話す。
夫の隣で感じる孤独に耐えかねて——手を伸ばしたのは、私からだった。
結婚してからずっと、目を合わせることが忘れていたことに、慣れてしまっていた。
和也さんは元同僚。越えてはいけない一線だと、痛いほど自覚していた。
貸した折りたたみ傘を、和也さんがわざわざ夜に返しに来た。
玄関の照明がつけっぱなしで眩しくて、それだけ覚えてる。
つけっぱなしのテレビの通販番組の声が、あの夜と分かちがたく結びついている。
深入りしないのが、自分の流儀だった。
唇が重なると、何かにすがりたくて手が泳いだ。
シャツのボタンを外され、みぞおちがこわばった。
背中のホックを焦らすように外され、あたしは唇を引き結んだ。
濡れた下着をずらされ、あたしは天井を見つめたままだった。
膝の裏を転がすように弄られるたびに、爪先がふわりと浮いた。
下腹部をきゅっと摘ままれ、喉の奥が強張った。
和也さんが脇腹を舌先で転がすと、背中が焼けるように熱い。
「んぅ…お願い、焦らさないでっ…」
「涼子、もっと欲しいんだろ」
和也さんが内ももに指を這わせると、あたしは快感に溺れていった。
敏感な芽に容赦のない指を感じて、あたしは思わず顔を覆った。
うなじを円を描くように擦られ、爪先がびくりと跳ねた。
(ぬるり、ぴちゃ、ぷちゅ)
「あっ…お願い、そんなにしないでっ…」
繋がったまま抱き起こされ、ぱんぱんと肌のぶつかる音が響き、うなじが波打った。
後ろから深く突かれ、喉の奥が勝手にくねった。
(ぱちゅん、ぴく)
「気持ちいい…んあっ……」
「涼子、そんなに締めつけて」
片脚を抱え上げられて深く繋がり、ぱんぱんと肌のぶつかる音が響き、声が波打った。
真上から腰を落とされ、頭が真っ白になりかけた。
(ぐちゅ、ずちゅん)
「して…はぅぅ…」
声を上げる間もなく、あたしは声もなく達した。
「くぅっ…離さないでぅ…」
気づけば、和也さんの予定に自分の生活を合わせていた。
欲しかったものを手にして、それでも夫への嘘だけが増えていく。
一応忘れられそうにない——今でもそう思う。
今でもつけっぱなしのテレビの通販番組の声を思い出すと、あの夜が勝手に立ち上がってくる。