焦がれる疼き——私の部屋にて
奈々(結婚3年目・パート事務 / 相手は直樹さん(上司)
この話をすると引かれるけど、言葉にして残しておきたい。
正直もう一度ときめきたい、その飢えを、もう隠せなかった。
子どもが生まれてから、労われることが枯れていたことに、慣れてしまっていた。
直樹さんは上司。夫を裏切れない、そう思う自分が、もう半分溶けていた。
会社の花見の帰り、二次会を抜けた道が、たまたま直樹さんと同じだった。
余裕なふりをするのが、精一杯だった。
「今のは、なし」
上着、玄関に置きっぱなしだったの今思い出した。
今も手触りごと残っているのは、彼のシャツに染みついた、知らない香水の匂いを、行為より鮮明に覚えている。
深く舌を絡められ、指の先から力が抜けた。
頬を包まれて、胸の奥が小刻みに震えた。
「奈々、反応、そそるね」
キャミソールをずらされ、下腹の奥がきゅっと縮こまった。
ブラウスのボタンを焦らすように外され、全身がふわりと浮いた。
ジーンズのボタンを一つずつ外され、爪先が勝手にくねった。
腰のくびれをつぷりと押し開かれ、腰の奥がきゅうっと締まった。
脇腹を円を描くように擦られるたびに、膝が勝手に浮き上がった。
(びくっ、きゅうっ、ぷちゅ)
「ぁ…もっと、、、」
「奈々、震え方、たまらないよ」
濡れそぼった花びらに痺れるような刺激を感じて、指の先がふわりと浮いた。
うなじを焦らすようになぞられ、こめかみがずくずくと疼いた。
下腹部をきゅっと摘ままれるたびに、太ももが小刻みに震えた。
(ぞくぞく、ぴく)
「あっ…待って、イッちゃうぅ…」
直樹さんが最奥を抉るように穿つと、つま先がきゅっと縮こまった。
直樹さんが浅い場所を焦らすように擦ると、背中がとろけそうになった。
(くちゅくちゅ、ぱちゅん、とろとろ)
「はぁっ…お願い、深いところっ」
「素直だね」
後ろから深く突かれ、あたしは短く彼の名を呼んだ。
肌のぶつかる音に頭を溶かされて、「もう無理」と短く言った。
「直樹さん…くぅっ…うそ、溶けちゃうぅ…」
全身が硬直して、熱い波がゆっくり引いていった。
「直樹さん…はぅ…そこ弱いの、、、」
朝、目が覚めたら直樹さんはもういなかった。
女に戻れた数時間の代わりに、渇きはもっと深くなった。
認めたくないけれど、夫への嘘だけが増えていった。
はっきり言うと何かの折に彼のシャツに染みついた、知らない香水の匂いが鼻をかすめると、心臓が小さく跳ねる。