紗英の誘惑
紗英(40代前半・ヨガ講師 / 相手は巧さん(サークルのOB)
つらい時期にそばにいてくれた人に、自分でも驚くほど大胆になっていた。
ときめきたいという気持ちだけが、音もなく育っていた。
巧さんはサークルのOB。近所でも噂になりかねない相手だと、それでも拒みきれない自分に気づいていた。
台風で電車が止まり、会社に泊まる流れになったのが巧さんと私だけだった。
不思議と忘れられずにいるのは、隣の部屋から漏れる、誰かの笑い声を、行為より鮮明に覚えている。
ベッドの周りが微妙に散らかってて、我ながらどうかと思った。
冷めているふりが、いつのまにか剥がれていた。
「これっきりでいい」
耳元で名前を囁かれ、胸の奥から力が抜けた。
「素直だね」
下着をずらされ、あたしは唇を引き結んだ。
シャツのボタンをそっと外され、こらえていたものが緩んだ。
首筋を熱い息でくすぐられ、不覚にも声が漏れた。
巧さんが胸の先をきつく吸い上げると、あたしは静かに目を閉じた。
「巧さん…深いところ…は…っぅ…」
「肌、見てられないな」
敏感な芽を舌先で舐め上げられ、こめかみがとろけそうになった。
耳たぶを舌先で舐め上げられるたびに、膝の裏が勝手にくねった。
「くぅっ…もう無理っ…」
片脚を抱え上げられて深く繋がり、腰が勝手にくねった。
巧さんが根元まで一息に押し込むと、腰から下がびくりと跳ねた。
ゆっくりと押し入られると、ぱんぱんと肌のぶつかる音が響き、こめかみがひくついた。
腕が、熱を持っている。
(ぱちゅん、ぱんっ)
「巧さん…はぅ…見ないでっ」
「こんなに求められると思わなかった」
後ろから深く突かれ、声が甘く痺れた。
リズムよく揺さぶられ、ベッドがきしむ音まで恥ずかしく響き、うなじがきゅっと縮こまった。
巧さんが最奥を抉るように穿つと、枕に顔をうずめた。
(びくびく、ぱちゅん)
「ひぅ…気持ちいいぅ…」
声を上げる間もなく、あたしは彼にしがみついたまま昇りつめた。
「巧さん…んぅ…気持ちいい…!」
息を整える暇もなく、後ろから抱え直されて、また深く繋がった。
潤んだ奥を小刻みに刺激されるたびに、声を出すまいと決めていた。
巧さんが鎖骨のくぼみにそっと歯を立てると、こめかみがとろけそうになった。
巧さんが腰のくびれに唇を押し当てると、耳の奥がぴくんと反応した。
(ぱちゃ、ちゅく)
「は…っ…変になる……」
「紗英、ちゃんと、俺のこと呼んで」
膝の裏を小刻みに刺激され、太ももが細かく痙攣した。
巧さんが脇腹に舌を這わせると、あたしはただ長い息を吐いた。
太ももの内側にぬるりとした感触を感じて、指の先が芯から蕩けた。
(ぱんっ、とろん)
「全部あげる…はぅ、、、」
巧さんが腰を強く打ちつけると、あたしはただ長い息を吐いた。
巧さんが最奥を抉るように穿つと、下腹の奥が小刻みに震えた。
(ずちゅん、ぬちゃ、ぷちゅ)
「ふぁ…そこ弱いの、、、」
「反応、ぐっとくる」
巧さんが浅い場所を焦らすように擦ると、背中が細かく痙攣した。
巧さんが奥をずんと突き上げると、背筋がびくりと跳ねた。
(じゅわ、こくり)
「んあっ…そんな、イッちゃうっ」
何度目かの波で、涙が一粒こぼれた。
「巧さん…ひぁっ…頭が真っ白っ」
余韻に浸る間もなく、体位を変えられて、また奥まで導かれた。
尖った乳首をくすぐるように触れられるたびに、うなじが勝手にくねった。
下腹部を熱い息でくすぐられ、指先がふわりと浮いた。
(じん…、ぱちゃ)
「くぅっ…止まらない…」
「紗英、上気した肌、色っぽいよ」
巧さんが濡れそぼった花びらに指を這わせると、感覚だけが妙に鮮明だった。
うなじをじっくり吸い上げられるたびに、爪先が強張った。
背中の中心に熱を持った舌先を感じて、首筋がぞくりと粟立った。
「んあっ…だめ、奥まで来てっ」
巧さんがゆっくりと沈み込むと、全身が小刻みに震えた。
「巧さん…ひぁっ…止めないで…」
「紗英、潤んだ目、可愛すぎる」
最奥をぐりぐりと押し上げられ、ぐちゅんぐちゅんと激しい音が鳴り、息が勝手に浮き上がった。
(ぱんっ、こく、とろとろ)
「巧さん…ふぁ…やだ、もう無理っ」
目の前が白く飛んで、あたしは小刻みに震え続けた。
「巧さん…ふぁ…離さないでっ」
季節が変わると、また体が思い出してしまった。
背徳の甘さを覚えて、渇きはもっと深くなった。
皮肉なことに、後悔と未練が同じ顔で並んでいた。
ふとした拍子に隣の部屋から漏れる、誰かの笑い声に出くわすと、時効にならない何かが疼く。