エレベーターでの濡れたためいき
玲奈(20代後半・会社員 / 相手は陽田さん(担当の営業マン)
もう帰り際、そっと抱きしめられて泣きそうになった。
気が急いて先に言ったけど、落ち着いて振り返ってみる。
テーブルの上が微妙に散らかってて、我ながらどうかと思った。
満たされない毎日の隙間に、断る理由を手放していた。
刺激が欲しいという気持ちだけが、少しずつ膨らんでいた。
陽田さんは担当の営業マン。顔見知りが多い相手だと、それでも惹かれていく速さが怖かった。
陽田さんの家に、置き忘れた社員証を取りに行っただけだった。
脱いだ靴下、洗面台に置きっぱなしだったの今思い出した。
エプロンを外したときの、妙な解放感が、記憶の真ん中に居座っている。
認めたくなかった。自分が求めていることを。
背中に手を回され、腰がぞくりと粟立った。
ジーンズのボタンを緩められ、腰の奥が細かく痙攣した。
濡れた下着をそっと脱がされ、爪先が波打った。
タイツをはだけられ、膝の裏がぞくりと粟立った。
下腹部を小刻みに刺激され、こめかみが甘く痺れた。
うなじを指の腹でこね回され、指先が強張った。
陽田さんが首筋を爪の先でなぞると、あたしは彼の背に爪を立てた。
「陽田さん…はぅ…うそ、見ないで…!」
「玲奈、もっとこっちに集中して」
陽田さんが潤んだ奥を舌先で転がすと、声を殺す意味も感じなかった。
太ももの内側に止まらない指の動きを感じて、内ももが震えて止まらない。
濡れそぼった花びらにぬるりとした感触を感じて、声を殺す意味も感じなかった。
(びくんっ、ずぷ)
「恥ずかしい…は…っぅ…」
小刻みに突き上げられ、腰の奥がじわりと蕩けた。
浅いところを焦らすように擦られ、ぱんぱんと肌のぶつかる音が響き、全身が芯から蕩けた。
腰が、熱を持っている。
「ひぅ…うそ、溶けちゃう…!」
「全部、俺のものだ」
濡れた水音に頭を溶かされて、あたしは遠慮なく彼にしがみついた。
濡れた水音を立てながら、お腹の底が波打った。
陽田さんが奥をずんと突き上げると、内ももが芯から蕩けた。
「変になる…くぅっっ」
頭の芯が痺れて、頭の中で何かが弾けた。
「イッちゃう…くぅっ…!」
満たされたのは体だけで、それでも日常には戻れなかった。
時間が経つほど、優しさの方がたちが悪いと知った…
何かの折にエプロンを外したときの、妙な解放感が耳に届くと、心臓が小さく跳ねる。