行きつけの美容師との記憶
AS(結婚7年目・看護師 / 相手は隆(仮)さん(行きつけの美容師)
何か事件が欲しくて、後先を考えるのをやめてしまった。
別に結婚してからずっと、目を合わせることがなくなっていたことに、慣れてしまっていた。
隆(仮)さんは行きつけの美容師。いい妻でいなきゃ、と思うほど、目が離せなくなった。
同窓会のあと、隆(仮)さんとだけ連絡を取り続けていた。
で、不思議とはっきり思い出せるのは、洗いたてのシーツの、少し硬い感触だけは、なぜか。
スマホの充電が8%で、それだけ妙に覚えてる。
淡々としていたのは、最初の数分だけだった。
そっと顎を掬われ、感覚だけが妙に鮮明だった。
額を合わせたまま、全身がぴくんと反応した。
「AS、感じてる顔、反則だよ」
スカートをずらされ、膝の裏が強張った。
スカートのファスナーを緩められ、全身が焼けるように熱い。
濡れた下着をずらされ、膝の裏が波打った。
隆(仮)さんが脇腹を舌先で転がすと、背中がきゅうっと締まった。
耳たぶを熱い息でくすぐられるたびに、指の先が強張った。
膝の裏を円を描くように擦られるたびに、膝が芯から蕩けた。
太ももが、強張っている。
「はぁっ…頭が真っ白っ…」
「AS、濡れ方、たまらないよ」
胸の先をくすぐるように触れられ、お腹の底がずくずくと疼いた。
背中の中心を舌先で舐め上げられるたびに、首筋が焼けるように熱い。
腰のくびれをくすぐるように触れられ、抵抗する気力もなかった。
「止めないで…くぅっ、、、」
きしむマットレスの音に混じって、爪先がわなないた。
隆(仮)さんが根元まで一息に押し込むと、太ももが小刻みに震えた。
(ずんっ、とろり、ぷちゅ)
「イッちゃう…はぁっ〜っ」
「AS、肌、そそるね」
隆(仮)さんがゆっくりと沈み込むと、首筋がとろけそうになった。
ゆっくりと押し入られると、下腹の奥がこわばった。
一突きごとに体を揺らされ、ベッドがきしむ音まで恥ずかしく響き、腰がきゅうっと締まった。
「気持ちいい…んっ……」
頭の芯が痺れて、涙が一粒こぼれた。
「隆(仮)さん…やっ…気持ちいいっ」
家族の写真に、自分だけ映れない気がした。
特別扱いされて舞い上がって、それでも日常には戻れなかった。
時間が経つほど、秘密がひとつ、重くなった。
一応何かの折に洗いたてのシーツの、少し硬い感触が鼻をかすめると、後悔と未練が同じ顔で並ぶ。
うわ、打ち明ける相手がいないから、ここに……。