ホテルでのむせ返るような境界線
成…(20代後半・在宅ワーカー / 相手は達也さん(行きつけの店のマスター)
自分を取り戻したい、欲求に、抗う気力がなかった。
いやもうここ数年、女として見られることがなくなっていたことに、慣れてしまっていた…
達也さんは行きつけの店のマスター。お互い家庭がある相手だと、それでも触れられた手を、振り払えなかった。
準備で二人だけ残ることになり、達也さんとの距離が急に近づいた。
テーブルの上が微妙に散らかってて、我ながらどうかと思った。
なぜだかはっきり思い出せるのは、遠くで鳴り続けた踏切の音——それだけは今も色褪せない。
エアコンの効きが悪くて蒸し暑くて、途中でそれが妙に気になった。
試すつもりが、試されているのは自分だった。
「素直じゃないね」
唇が重なると、耳の奥がきゅっと縮こまった。
下着をずらされ、喉の奥が勝手に浮き上がった。
ブラウスのボタンをそっと外され、あたしはシーツを握りしめた。
脇腹をつぷりと押し開かれるたびに、腰が勝手にくねった。
うなじにぬるりとした感触を感じて、気づけば彼を引き寄せていた。
耳たぶをゆっくり撫で上げられ、太ももが波打った。
「んあっ…そこ、見ないで〜っ」
「成、もっと欲しがっていい」
達也さんが敏感な芽を爪の先でなぞると、太ももが小刻みに震えた。
腰のくびれを小刻みに刺激され、あたしは思わず顔を覆った。
達也さんが尖った乳首を爪の先でなぞると、爪先が勝手にくねった。
(くちゅ、こく)
「ひぁっ…我慢できない…!」
真上から腰を落とされ、ずちゅずちゅと濡れた音が漏れ、指の先が勝手にくねった。
小刻みに突き上げられ、背筋が波打った。
「はぅ…もっとっ」
「成、逃がさないよ」
達也さんが最奥を抉るように穿つと、うなじが細かく痙攣した。
繋がったまま抱き起こされ、あたしはもっと、と素直にねだった。
「あっ…そんなにしないでっ」
きゅうっと締まった瞬間、あたしの中が強く締まった。
「ぁ…もう、焦らさないでっ」
呼吸も整わないうちに、濡れた体のまま次の波に引きずり込まれた。
濡れそぼった花びらを円を描くように擦られるたびに、肩がひくついた。
膝の裏に痺れるような刺激を感じて、お腹の底がきゅっと縮こまった。
口の中がからからだ。
「壊れちゃう…はぅっ…」
「成、離れないで」
達也さんが首筋を爪の先でなぞると、背中が波打った。
潤んだ奥をじっくり吸い上げられるたびに、肩がわなないた。
下腹部をくすぐるように触れられ、うなじがとろけそうになった。
「ひぅ…壊れちゃうっ」
片脚を抱え上げられて深く繋がり、ベッドがきしむ音まで恥ずかしく響き、声が芯から蕩けた。
後ろから深く突かれ、あたしは自分から唇を求めた。
(ふるっ、ずちゅん)
「達也さん…頭が真っ白…はぅ…」
「成、力を抜いて」
ゆっくりと押し入られると、あたしは彼の首に腕を回した。
根元まで一気に貫かれ、ずちゅずちゅと濡れた音が漏れ、あたしは理性を手放した。
「ひぅ…奥まで来てぅ…」
一気に高みへ押し上げられ、熱い波がゆっくり引いていった。
「んあっ…そんな、止めないで……」
体だけのはずが、達也さんの連絡がないと落ち着かなくなった。
求められる悦びを知ってしまって、それでも誰にも打ち明けられない。
で、あとに残ったのは、自分がいちばん割り切れていなかった。
あれ以来遠くで鳴り続けた踏切の音に出くわすと、心臓が小さく跳ねる。