彼の部屋での夜
A子(結婚3年目・主婦 / 相手は大田さん(ママ友の夫)
禁を破るのに、大した理由はいらなかった。
順番が前後したけど、はじめから思い出しながら書く。
今さらだけど、書きながら少し後悔してる、けど続ける。
同窓会で火がついたまま——止まる理由が、思いつかなかった。
夫とは、もう何年も褒められることも消えていた。
大田さんはママ友の夫。本能で危ないと感じる相手だと、それでも気づけば身を委ねていた。
エレベーターが点検で止まって、大田さんと二人きりで十分ほど閉じ込められた。
自分でも意外なほど際立っているのは、飲みかけで温くなった缶コーヒー——それだけは今も色褪せない。
少しでも長く、そばにいてほしかった。
「私のこと、好き?」
唇が重なると、喉の奥が小刻みに震えた。
頬を包まれて、声が芯から蕩けた。
ワンピースの背中のジッパーを外され、爪先が勝手にくねった。
スカートのファスナーを緩められ、爪先が勝手に浮き上がった。
スカートをずらされ、つま先から力が抜けた。
大田さんが太ももの内側に指を這わせると、声がひくついた。
下腹部を小刻みに刺激され、内ももが波打った。
(ぬちゃ、はぁん、くぷ)
「大田さん…は…っ…見ないでっ」
「A子、その顔、反則だよ」
濡れそぼった花びらをつぷりと押し開かれるたびに、腰から下が勝手に浮き上がった。
大田さんが敏感な芽を手のひらで包み込むと、あたしは「だめ」と言いながらしがみついた。
大田さんが耳たぶに指を沈めると、あたしは理性を手放した。
(びくっ、ぬちゅ、くちゅ)
「大田さん…気持ちいい…くぅっ、、、」
真上から腰を落とされ、ベッドがきしむ音まで恥ずかしく響き、全身が勝手に浮き上がった。
きしむマットレスの音しか聞こえないまま、気持ちを言葉にせずにいられなかった。
つま先が、熱を持っている。
「大田さん…恥ずかしい…はぁっぅ…」
「いい声だ」
大田さんが浅い場所を焦らすように擦ると、全身が震えて止まらない。
肌のぶつかる音に頭を溶かされて、腰がじわりと蕩けた。
「大田さん…んぅ…やだ、気持ちいい…!」
全身が硬直して、あたしはしばらく動けなかった。
「大田さん…くぅっ…奥まで来てぅ…」
満たされたのは体だけで、自分を好きになれなくなった。
っていうかまた会いたくなる自分がいる——それだけは確かだ。
今でも飲みかけで温くなった缶コーヒーを目にすると、体の奥がざわりとする。