帰り道に交わした夜想曲
紗英(仮)(30代半ば・主婦 / 相手は雅人さん(習い事の同期)
雅人さんが鎖骨のくぼみに指を沈めると、わたしは背をのけぞらせた。
順番を無視して書き出したけど、落ち着いて経緯を書く。
ちなみに飲んでたのはカシスオレンジ、たぶん4杯目。
求められる嬉しさに抗えず——求められることに飢えていた自分がいた。
夫とは、この十年そばにいてもらうことも消えていた。
換気扇の回る音のせいで、なんだか落ち着かなかった。
雅人さんは習い事の同期。越えてはいけない一線だと、痛いほど自覚していた。
ゴミ出しで毎朝会ううちに、雅人さんと立ち話が長くなった。
今でも際立っているのは、つけっぱなしのテレビの通販番組の声——それだけは今も色褪せない。
理性を手放す瞬間が、いっそ心地よかった。
深く舌を絡められ、腰が小刻みに震えた。
唇が重なると、太ももが震えて止まらない。
「紗英、怖くないよ」
ジーンズのボタンをそっと外され、お腹の底が強張った。
スカートをそっと脱がされ、肌から力が抜けた。
鎖骨のくぼみに痺れるような刺激を感じて、気持ちよさに素直に声を上げた。
潤んだ奥をつぷりと押し開かれるたびに、腰の奥が震えて止まらない。
「ああっ…待って、もっと激しく〜っ」
「紗英、溶けそうな顔してる」
太ももの内側をくすぐるように触れられ、こめかみが小刻みに震えた。
脇腹を指の腹でこね回され、声を我慢する気なんてなかった。
首筋をきゅっと摘ままれるたびに、腰がぞくりと粟立った。
(ちゅく、はぁん)
「はぅ…そんな、止めないで〜っ」
ベッドのきしみを立てながら、腰がふわりと浮いた。
小刻みに突き上げられ、何かにすがりたくて手が泳いだ。
(ぴちゅ、ぱちゅん)
「んあっ…やだ、恥ずかしい〜っ」
「紗英、もう限界?」
二人分の乱れた息に混じって、肌がぞくりと粟立った。
雅人さんが浅い場所を焦らすように擦ると、声を我慢する気なんてなかった。
雅人さんがリズムを上げて攻め立てると、わたしはもっと、と素直にねだった。
(ぬちゅっ、くちゅくちゅ)
「ひぁっ…もっと激しくっ…」
頭の芯が痺れて、わたしは彼にしがみついたまま昇りつめた。
「ぁ…我慢できないっ…」
まじで雅人さんにも守るべき家庭があると、改めて思い知った。
渇きが癒えた気がして、それでも夫への嘘だけが増えていく。
終わってみれば、いちばん傷ついたのは自分だった。
今でもつけっぱなしのテレビの通販番組の声を思い出すと、無防備ではいられなくなる。