忘れられないラブホテルの秘密
美咲(仮)(30代後半・在宅ワーカー / 相手は隆さん(取引先の担当)
っていうか数週間、生理が来なくて生きた心地がしなかった。
結末から書いてしまったけど、はじめから思い出しながら書く。
ちなみに飲んでたのはハイボール、たぶん2杯目。
あのね、『母』でしかない毎日から、少しだけ抜け出したくて、後先を考えるのをやめてしまった。
夫の隣にいても、心だけが冷えていった。
隆さんは取引先の担当。近所でも噂になりかねない相手だと、分かった上で目をつぶった。
隣に引っ越してきた隆さんの、荷ほどきを手伝った…
いまだに真っ先に浮かぶのは、夫とは違う柔軟剤の匂い——それだけは今も色褪せない。
スマホの充電が15%で、それだけ妙に覚えてる。
優しくされるほど、離れがたくなった。
「ずっと、こうしてて」
うなじに口づけられ、お腹の底がとろけそうになった。
ワンピースの背中のジッパーをそっと外され、うなじが甘く痺れた。
濡れた下着を脱がされ、太ももがふわりと浮いた。
ブラウスのボタンを焦らすように外され、声がふわりと浮いた。
太ももの内側に焦らすような指先を感じて、喉の奥がぴくんと反応した。
下腹部をねっとりと舐められるたびに、内ももがびくりと跳ねた。
「全部あげる…あっ…」
「離れないで」
胸の先に遠慮のない愛撫を感じて、腿の付け根が小刻みに震えた。
隆さんが膝の裏を手のひらで包み込むと、膝の裏がずくずくと疼いた。
(ぬぷぬぷ、びくっ、ぴちゅ)
「やっ…溶けちゃう……」
ゆっくりと押し入られると、ずちゅずちゅと濡れた音が漏れ、膝が甘く痺れた。
湿った衝突音しか聞こえないまま、耳の奥がじんと熱を持った。
喉の奥で、声が詰まる。
(とろん、ぬぷぬぷ、はぁっ)
「もう無理…ああっ…!」
「その表情、そそるね」
きしむマットレスの音を立てながら、胸の奥が甘く痺れた。
荒い息づかいに頭を溶かされて、肩が波打った。
浅いところを焦らすように擦られ、爪先がとろけそうになった。
「は…っ…ねえ、我慢できない〜っ」
こらえていたものが弾けて、私は小刻みに震え続けた。
「離さないで…やっっ…」
取り戻せたのは一晩の熱だけで、心の隙間はまた開いた。
終わってみれば、この熱の置き場所がなかった。
不意に夫とは違う柔軟剤の匂いに出くわすと、あの夜が勝手に立ち上がってくる。