A子、痺れるような時間の記録
A子(結婚7年目・会社員 / 相手は健一(仮)さん(行きつけのバーの常連)
まじで実はその夜が、健一(仮)さんと会った最後になった。
結末から書いてしまったけど、そこに至るまでを順に話す。
誰にも見せない渇きを抱えて、溺れる予感に目をつぶった。
この十年、優しくされることが枯れていたことに、慣れてしまっていた。
ちなみに飲んでたのは梅酒ソーダ、たぶん5杯目。
健一(仮)さんは行きつけのバーの常連。お互い家庭がある相手だと、頭では分かっていた。
終業後の給湯室で、健一(仮)さんに泣いているところを見られた。
誰かに聞いてほしかっただけかもしれない。
いまだに強く残っているのは、雨に濡れたコートの匂いだった。
止まる理由を探すのを、途中でやめてしまった。
「いいから、来て」
耳元で名前を囁かれ、お腹の底がずくずくと疼いた。
深く舌を絡められ、気づけば彼を引き寄せていた。
「A子、感じてる顔、見てられないな」
ワンピースをそっと脱がされ、背筋が勝手にくねった。
ストッキングをじれったいほど焦らして脱がされ、指の先が震えて止まらない。
キャミソールをはだけられ、膝が強張った。
健一(仮)さんが尖った乳首に指を沈めると、喉の奥が焼けるように熱い。
背中の中心をくすぐるように触れられるたびに、背中がぴくんと反応した。
膝が、汗ばんでいる。
「ふぁ…止まらないっ…」
「A子、反応、たまらないよ」
潤んだ奥を強く揉みしだかれ、恥ずかしげもなく腰を揺らした。
健一(仮)さんが内ももに舌を這わせると、太ももが芯から蕩けた。
(ぬぷっ、とろん)
「溶けちゃう…ああっ…」
抜き差しを繰り返され、ずちゅずちゅと濡れた音が漏れ、息がじわりと蕩けた。
健一(仮)さんが奥をずんと突き上げると、下腹の奥がびくりと跳ねた。
後ろから深く突かれ、ずちゅずちゅと濡れた音が漏れ、指の先が勝手にくねった。
(ぞくぞく、ぬちゅっ、ちゅく)
「んあっ…やだ、そこ弱いの…!」
「A子、いい声だ」
浅いところを焦らすように擦られ、ぱんぱんと肌のぶつかる音が響き、気持ちよさに素直に声を上げた。
繋がったまま抱き起こされ、ぱんぱんと肌のぶつかる音が響き、指の先がひくついた。
真上から腰を落とされ、ぱんぱんと肌のぶつかる音が響き、耳の奥がきゅうっと締まった。
(ぴちゅ、こく、くちゅくちゅ)
「やっ…うそ、頭が真っ白…」
背中が大きくしなって、私は何も考えられなくなった。
「健一(仮)さん…は…っ…全部あげるっ…」
刺激で日常を忘れられて、次の連絡を待つ側になった。
気づけば、優しさの方がたちが悪いと知った…
不意に雨に濡れたコートの匂いに触れると、無防備ではいられなくなる。