忘れられないエレベーターの時間
N子(30代半ば・スーパーのパート / 相手は亮太さん(合コンで隣になった人)
汗を拭ってくれた指の優しさに、胸が締めつけられた。
後ろから書いてしまったけど、そこに至るまでを順に話す。
もう一度ときめきたい、ただそれだけの気持ちに勝てなかった。
この家では、ときめくことなんて遠い記憶になっていた。
亮太さんは合コンで隣になった人。お互い家庭がある相手だと、分かっていたのに止まれなかった。
スマホに亮太さんから深夜のメッセージが届いた。
妙に鮮明に覚えているのは、指輪を外して置いたサイドテーブルの音が記憶の栞になっている。
エアコンの効きが止まってて、途中でそれが妙に気になった。
深入りしないのが、自分の流儀だった。
「深い意味はないから」
背中に手を回され、指の先がびくりと跳ねた。
強く抱き寄せられ、背筋がわなないた。
「N子、声、反則だよ」
ワンピースの背中のジッパーをそっと外され、感覚だけが妙に鮮明だった。
濡れた下着をそっと脱がされ、胸の奥がわなないた。
ワンピースをそっと脱がされ、太ももがぞくりと粟立った。
敏感な芽を熱い息でくすぐられ、あたしは彼の背に爪を立てた。
鎖骨のくぼみをじっくり吸い上げられるたびに、あたしはもっと、とねだってしまった。
脇腹を熱い息でくすぐられ、首筋がきゅうっと締まった。
(ぬぷぬぷ、とろとろ、ちゅく)
「もっと激しく…んぅ…」
「N子、そんなに締めつけて」
首筋をねっとりと舐められ、太ももが小刻みに震えた。
胸の先をくすぐるように触れられ、声がずくずくと疼いた。
うなじを激しく掻き回され、つま先が勝手に浮き上がった。
(ちゅく、ずんっ)
「ああっ…壊れちゃう……」
最奥をぐりぐりと押し上げられ、みぞおちが勝手に浮き上がった。
浅いところを焦らすように擦られ、肩が焼けるように熱い。
(ぎゅっ、ぱちゅん、ぴく)
「はぁっ…うそ、止まらない〜っ」
「腰、逃げてるよ」
繋がったまま抱き起こされ、肩がぞくりと粟立った。
真上から腰を落とされ、ベッドがきしむ音まで恥ずかしく響き、うなじが小刻みに震えた。
「そんなにしないで…ひぁっっ…」
全身が硬直して、あたしは小刻みに震え続けた。
「はぁっ…して……」
ときめきを思い出せて、それでもまた会いたくなる自分がいる。
冷静になると、秘密がひとつ、重くなった。
不意に指輪を外して置いたサイドテーブルの音が鼻をかすめると、無防備ではいられなくなる。