私の部屋でのはじまり
詩織(結婚7年目・歯科助手 / 相手は航平さん(担当の営業マン)
すれ違いばかりの生活に疲れて——自分でも驚くほど大胆になっていた。
自分を取り戻したいという気持ちだけが、抑えきれなくなっていた。
航平さんは担当の営業マン。夫を裏切ることになると、分かった上で目をつぶった。
会社の花見の帰り、二次会を抜けた道が、たまたま航平さんと同じだった。
指輪を外して置いたサイドテーブルの音が、記憶の真ん中に居座っている。
恥ずかしいのに、逃げ出せなかった。
「…もう、許して」
玄関の照明が薄暗くて、それだけ覚えてる。
指を絡めて握られ、腰が焼けるように熱い。
耳元で名前を囁かれ、私は思わず顔を隠した。
「詩織、潤んだ目、色っぽいよ」
ワンピースの背中のジッパーを外され、つい脚に力が入ってしまった。
タイツを引き下ろされ、見られていると思うと動けなかった。
濡れそぼった花びらに容赦のない指を感じて、下腹の奥がふわりと浮いた。
航平さんが敏感な芽にそっと歯を立てると、膝が勝手にくねった。
(ぞくり、ぱちゅん)
「航平さん…ひぅ…頭が真っ白〜っ」
「乱れ方、可愛すぎる」
航平さんが内ももに唇を押し当てると、私はもう声を殺せなかった。
うなじに熱を持った舌先を感じて、漏れた声に自分で驚いた。
膝の裏にぬるりとした感触を感じて、お腹の底から力が抜けた。
(ぎゅっ、ぴちゃ)
「やっ…見ないでぅ…」
繋がったまま抱き起こされ、背筋がぴくんと反応した。
航平さんが浅い場所を焦らすように擦ると、私は快感に溺れていった。
「ああっ…おかしくなるぅ…」
「詩織、潤んだ目、そそるね」
荒い息づかいを立てながら、内ももがじわりと蕩けた。
ゆっくりと押し入られると、喉の奥が甘く痺れた。
浅いところを焦らすように擦られ、胸の奥がぞくりと粟立った。
(ぱちゃ、じゅぷ、ぴくぴく)
「んあっ…恥ずかしい…」
きゅうっと締まった瞬間、頭の中で何かが弾けた。
「は…っ…そんなにしないで〜っ」
首筋のあとを、夫に見られていないか鏡で何度も確かめた。
女に戻れた数時間の代わりに、日常はかえって色を失った。
終わらせ方が分からない——それだけは確かだ。
あれ以来指輪を外して置いたサイドテーブルの音が耳に届くと、あの夜に一瞬で引き戻される。
思い出したら顔が熱くなってきた……。