楓、とろけるような時間の記録
楓(結婚3年目・主婦 / 相手は亮太さん(行きつけの美容師)
正しいかは置いておいて、ここに打ち明けてみる。
すれ違いばかりの生活に疲れて、手を伸ばしたのは、私からだった。
もう何年も、求められることが枯れていたことに、慣れてしまっていた。
亮太さんは行きつけの美容師。触れてはいけない相手だと、それでも会うと胸が跳ねた。
夫の愚痴を聞いてもらううちに、亮太さんに肩を抱かれた。
こんな声が出るなんて、自分でも知らなかった。
「…恥ずかしいから、言わないで」
妙に鮮明に覚えているのは、夫とは違う柔軟剤の匂いだった。
額を合わせたまま、私は唇を噛みしめた。
強く抱き寄せられ、肌がとろけそうになった。
背中のホックをぷつりと外され、お腹の底が震えて止まらない。
タイツをはだけられ、喉の奥がぞくりと粟立った。
ブラウスのボタンを緩められ、全身が波打った。
背中の中心を指の腹でこね回されるたびに、指先がわなないた。
内ももをくすぐるように触れられるたびに、自分の声とは思えない声が出た。
鎖骨のくぼみをゆっくり撫で上げられ、私は小さく首を振った。
「亮太さん…ふぁ…おかしくなる〜っ」
「楓、いい声だ」
亮太さんが尖った乳首に指を這わせると、指先がじわりと蕩けた。
下腹部をくすぐるように触れられるたびに、内ももがきゅうっと締まった。
脇腹を強く揉みしだかれるたびに、腰の奥がこわばった。
(じゅる、ちゅく)
「はぁっ…止まらない、、、」
軋むヘッドボードが響くなか、声が出そうで唇を噛んだ。
亮太さんがゆっくりと沈み込むと、指の先が小刻みに震えた。
亮太さんが腰を強く打ちつけると、私はシーツの端を握った。
指先が、強張っている。
「あっ…ねえ、そんなにしないで、、、」
「怖くないよ」
亮太さんが浅い場所を焦らすように擦ると、全身が勝手に浮き上がった。
抜き差しを繰り返され、ベッドがきしむ音まで恥ずかしく響き、指の先が細かく痙攣した。
繋がったまま抱き起こされ、ベッドがきしむ音まで恥ずかしく響き、お腹の底がこわばった。
(ぷちゅ、くちゅ)
「んぅ…だめ、溶けちゃう〜っ」
限界が来て、私は声もなく達した。
「止めないで…んぅ…!」
あとになって、亮太さんに家庭があると知った。
刺激で日常を忘れられて、それでも日常には戻れなかった。
時間が経つほど、都合のいい女になっていた。
あれ以来夫とは違う柔軟剤の匂いが耳に届くと、あの夜に一瞬で引き戻される…
枕元の照明がオレンジ色で、それだけ覚えてる。