忘れられない離れの戯れ
千夏(アラフォー・主婦 / 相手は健吾さん(近所のジムで見かける人)
遊びのはずが、いつのまにか本気で会いたくなっていた。
あの、つい核心から書いたけど、そこまでの道のりを綴る。
すれ違いばかりの生活に疲れて、気づけば足が止まらなかった…
えっと、この家では、会話らしい会話なんて思い出せなくなっていた。
その日ヨレたTシャツで、正直それが一番恥ずかしかった。
健吾さんは近所のジムで見かける人。友人の夫でもあると、理性では理解していた。
健康診断の付き添いで一日一緒にいて、その帰り道で。
不思議と手触りごと残っているのは、止め忘れた蛇口の、ぽたぽたという音だけは、なぜか。
こんな声が出るなんて、自分でも知らなかった。
髪をやさしく撫でられ、あたしは小さく首を振った。
首筋を吸われ、消え入りそうな声しか出なかった。
濡れた下着をじれったいほど焦らして脱がされ、膝がじわりと蕩けた。
ワンピースをはだけられ、声が勝手にくねった。
脇腹を円を描くように擦られるたびに、あたしは身を固くした。
腰のくびれにぬるりとした感触を感じて、喉の奥がびくりと跳ねた。
「健吾さん…そんなにしないで…んっ…!」
「千夏、無理してない?」
膝の裏を小刻みに刺激され、腰から下が勝手にくねった。
下腹部に痺れるような刺激を感じて、恥ずかしくて目をつぶるしかなかった。
(くちゅ、んっ)
「そこ弱いの…は…っぅ…」
健吾さんが最奥を抉るように穿つと、見られていると思うと動けなかった。
片脚を抱え上げられて深く繋がり、ぐちゅんぐちゅんと激しい音が鳴り、腿の付け根が強張った。
(じゅわ、ずちゅ、びくんっ)
「健吾さん…ふぁ…待って、もっと激しくっ…」
「千夏、濡れ方、可愛すぎる」
きしむマットレスの音に混じって、あたしは声を殺して耐えた。
二人分の乱れた息を立てながら、首筋がじんと熱を持った。
軋むヘッドボードが響くなか、みぞおちがきゅっと縮こまった。
(ぴちゅ、こくり)
「健吾さん…そこ弱いの…はぅ、、、」
こらえていたものが弾けて、あたしの中が強く締まった。
「我慢できない…ふぁっ」
刺激で日常を忘れられて、それでもこの熱の置き場所が分からない。
それからずっと、普通の顔で会い続けるのが罰だった。
ふとした拍子に止め忘れた蛇口の、ぽたぽたという音が耳に届くと、あの熱がぶり返してくる。
枕元の照明が消し忘れてて、それだけ覚えてる。