年の瀬に交わした境界線
冴子(仮)(アラフォー・スーパーのパート / 相手は大樹(仮)さん(サークルのOB)
大樹(仮)さんが太ももの内側を指で押し広げると、胸の奥が波打った。
いきなり濃いところから書いてしまったけど、ここで一度、時間を戻す。
この渇きを埋めたい、気持ちに、正直になってしまった。
てかさ、気づけば私は、『妻』の役だけを演じていた。
正直さ、大樹(仮)さんはサークルのOB。指輪をした身で、という縛りが、かえって甘くなった。
街で偶然すれ違った大樹(仮)さんに、お茶に誘われた。
今も強く残っているのは、外の工事の、やけに規則正しい音ばかりが、やけに残った。
ちなみに飲んでたのはジントニック、たぶん5杯目。
戻れなくなるのを、どこかで望んでいた気がする。
「いいから、来て」
唇が重なると、息が焼けるように熱い。
濡れた下着をじれったいほど焦らして脱がされ、太ももが小刻みに震えた。
シャツのボタンを外され、爪先が強張った。
大樹(仮)さんが下腹部にそっと歯を立てると、あたしは思わず顔を覆った。
うなじをつぷりと押し開かれ、あたしは自分から唇を求めた。
声が、痺れている。
(とろん、ぬちゅっ)
「壊れちゃう…あっぅ…」
「感じてる顔、見てられないな」
尖った乳首を指の腹でこね回されるたびに、あたしは自分から彼を引き寄せた。
大樹(仮)さんが胸の先を舌先で転がすと、指の先がぴくんと反応した。
背中の中心を指の腹でこね回されるたびに、こめかみが波打った。
(はぁっ、びくんっ)
「頭が真っ白…ああっぅ…」
リズムよく揺さぶられ、ぱんぱんと肌のぶつかる音が響き、太ももがこわばった。
二人分の乱れた息に頭を溶かされて、背筋が勝手に浮き上がった。
大樹(仮)さんが奥をずんと突き上げると、内ももがぴくんと反応した。
声が、震えている。
「大樹(仮)さん…全部あげる…ひぅ、、、」
「隠さなくていい」
ベッドのきしみしか聞こえないまま、腰から下がふわりと浮いた。
小刻みに突き上げられ、ぐちゅんぐちゅんと激しい音が鳴り、肩がひくついた。
浅いところを焦らすように擦られ、「もう無理」と甘えた声が出た。
「大樹(仮)さん…ひぅ…もう、頭が真っ白ぅ…」
目の前が白く飛んで、あたしはしばらく動けなかった。
「大樹(仮)さん…ひぁっ…全部あげる〜っ」
てかさ、首筋のあとを、夫に見られていないか鏡で何度も確かめた。
見返した気になって、心の隙間はまた開いた。
いやもう結局のところ、普通の顔で会い続けるのが罰だった。
ふとした拍子に外の工事の、やけに規則正しい音が蘇ると、心臓が小さく跳ねる。