奈々と颯太(仮)、抗えない沼
奈々(結婚7年目・パート主婦 / 相手は颯太(仮)さん(町内会で一緒の男性)
妻でも母でもない時間が欲しくて——一線を越える言い訳を探していた。
女に戻りたいという気持ちだけが、音もなく育っていた。
颯太(仮)さんは町内会で一緒の男性。お互い家庭がある相手だと、それでも距離を詰めたのは私からだった。
立ち話が続くうちに、颯太(仮)さんの家にお茶に呼ばれた。
その日は生理前で、体がやけに敏感だった気がする。
エプロンを外したときの、妙な解放感だけが、時間に流されず残った。
もう強がるほど、崩れていく自分がいた。
「勘違いしないで」
うなじに口づけられ、膝の裏が震えて止まらない。
背中に手を回され、みぞおちが震えて止まらない。
ブラウスのボタンをぷつりと外され、こらえていたものが緩んだ。
キャミソールを引き下ろされ、声が震えて止まらない。
ベルトをそっと外され、膝がきゅうっと締まった。
胸の先に痺れるような刺激を感じて、こめかみがぞくりと粟立った。
腰のくびれをきゅっと摘ままれ、私はもっと、とねだってしまった。
(ぱちゅん、ぱちゃ)
「ひぁっ…うそ、もっと…!」
「その顔、たまらない」
潤んだ奥にぬるりとした感触を感じて、声を殺す意味も感じなかった。
颯太(仮)さんが下腹部を手のひらで包み込むと、太ももがきゅっと縮こまった。
太ももの内側を強く揉みしだかれるたびに、腰の奥がふわりと浮いた。
「颯太(仮)さん…はぅ…もっと激しく、、、」
リズムよく揺さぶられ、ベッドがきしむ音まで恥ずかしく響き、爪先が小刻みに震えた。
浅いところを焦らすように擦られ、私は自分から脚を絡めた。
(ぴちゃ、ぱちゅん)
「して…ひぅっ」
「奈々、震え方、見てられないな」
最奥をぐりぐりと押し上げられ、私は名前を呼ぶのが精一杯だった。
抜き差しを繰り返され、腰から下がじんと熱を持った。
ゆっくりと押し入られると、息が上がって言葉が出ない。
「ひぅ…奥、見ないで……」
背中が大きくしなって、私の中が強く締まった。
「んっ…気持ちいい、、、」
好きになったら負け、そんなルールを勝手に作っていた。
背徳の甘さを覚えて、家族の顔が浮かんで苦しくなった。
ぶっちゃけさ、あとに残ったのは、秘密がひとつ、重くなった。
不意にエプロンを外したときの、妙な解放感に触れると、時効にならない何かが疼く。