雪の晩に交わしたためいき
R子(40代前半・パート事務 / 相手は達也さん(同じマンションの住人)
胸につかえたままだから、事実だけを綴っておく。
この渇きを埋めたい、その飢えを、もう隠せなかった。
夫とは、子どもが生まれてから優しくされることも枯れていた。
達也さんは同じマンションの住人。触れてはいけない相手だと、痛いほど自覚していた。
レッスンのあと、達也さんに食事に誘われて断れなかった。
ちなみに飲んでたのは角ハイ、たぶん5杯目。
拒みたいのか許したいのか、自分でも分からなかった。
「あんまり、見ないで」
効きすぎた古いエアコンの冷気——それが、あの夜の入り口だった。
耳元で名前を囁かれ、わたしは声を殺して耐えた。
頬を包まれて、下腹の奥が芯から蕩けた。
ベルトをぷつりと外され、わたしはいやいやと首を振った。
背中のホックをぷつりと外され、わたしはもっと、とねだってしまった。
ブラウスのボタンをそっと外され、息が上がって言葉が出ない。
腰のくびれをじっくり吸い上げられ、背筋から力が抜けた。
首筋に遠慮のない愛撫を感じて、太ももがじんと熱を持った。
脇腹にぬるりとした感触を感じて、見られていると思うと動けなかった。
声が、小刻みに揺れている。
「止めないで…ひぅっ」
「R子、上気した肌、たまらないよ」
尖った乳首に痺れるような刺激を感じて、胸の奥が細かく痙攣した。
うなじをゆっくり撫で上げられるたびに、背筋がぴくんと反応した。
背中の中心をそっと甘噛みされ、喉の奥が芯から蕩けた。
(きゅん、ちゅっ、ぬちゅ)
「もう無理…んあっぅ…」
達也さんが最奥を抉るように穿つと、胸の奥が波打った。
一突きごとに体を揺らされ、肌が細かく痙攣した。
(ぬちゅっ、はぁっ)
「はぁっ…恥ずかしいっ…」
「濡れ方、ずるいな」
抜き差しを繰り返され、ベッドがきしむ音まで恥ずかしく響き、わたしは小さく首を振った。
小刻みに突き上げられ、ぐちゅんぐちゅんと激しい音が鳴り、指の先が震えて止まらない。
「ひぅ…おかしくなるぅ…」
頭の芯が痺れて、わたしは声もなく達した。
「ふぁ…そこ、止めないでぅ…」
プレゼントを受け取るたび、後戻りできなくなった。
渇きが癒えた気がして、日常はかえって色を失った。
今になって思うのは、失ったものの方がずっと大きかった。
今でも効きすぎた古いエアコンの冷気に出くわすと、あの夜が勝手に立ち上がってくる。