兄の親友との淵
みなみ(40代半ば・保育士 / 相手はS太さん(兄の親友)
ちゃんと見てほしい、そんな自分を、その夜だけは許した。
この十年、会話らしい会話が枯れていたことに、慣れてしまっていた。
S太さんは兄の親友。越えてはいけない一線だと、それでも惹かれていく速さが怖かった。
隣に引っ越してきたS太さんの、荷ほどきを手伝った。
ちなみに飲んでたのは生ビール、たぶん5杯目。
そしたらつけっぱなしのテレビの通販番組の声だけは、今も手放せない。
もっと、と口にする自分を止められなかった。
「一人にしないで」
額を合わせたまま、感じるたびに声がこぼれた。
「みなみ、まだ終わらせないよ」
ブラウスのボタンを一つずつ外され、胸の奥が焼けるように熱い。
濡れた下着をずらされ、腰が甘く痺れた。
シャツのボタンを一つずつ外され、思ったことがそのまま声になった。
うなじを熱い息でくすぐられるたびに、指先がぴくんと反応した。
首筋に焦らすような指先を感じて、腰が波打った。
S太さんが敏感な芽にそっと歯を立てると、つま先がじんと熱を持った。
息が、こわばっている。
(きゅん、ぱちゅん、こくり)
「ああっ…気持ちいいっ」
「みなみ、求め方、見てられないな」
腰のくびれを円を描くように擦られ、あたしは名前を呼ぶのが精一杯だった。
脇腹に熱を持った舌先を感じて、耳の奥が震えて止まらない。
胸の先をきゅっと摘ままれるたびに、膝がぴくんと反応した。
(とろとろ、くちゅくちゅ、ぷちゅ)
「ひぅ…ねえ、溶けちゃう、、、」
S太さんが浅い場所を焦らすように擦ると、胸の奥が芯から蕩けた。
真上から腰を落とされ、ベッドがきしむ音まで恥ずかしく響き、息がじんと熱を持った。
呼吸が、痺れている。
(ずちゅん、ぞくぞく)
「おかしくなる…くぅっ…!」
「みなみ、肌、そそるね」
一突きごとに体を揺らされ、ベッドがきしむ音まで恥ずかしく響き、耳の奥がじわりと蕩けた。
小刻みに突き上げられ、こめかみがひくついた。
(くちゅ、ぐちゅ、ずちゅん)
「S太さん…ひぁっ…待って、見ないで…!」
限界が来て、涙が一粒こぼれた。
「S太さん…ああっ…もっと激しく…!」
既読がつかない数時間で、こんなに揺れる自分に驚いた。
あの数時間の私が、いちばん本当の私だった気がする、終わらせ方が分からない。
罪悪感は消えてくれない——それが正直なところだ…
あれ以来つけっぱなしのテレビの通販番組の声を思い出すと、後悔と未練が同じ顔で並ぶ。