終電後の香り
麻衣(結婚3年目・在宅ワーカー / 相手は圭さん(習い事の同期)
圭さんが潤んだ奥に指を沈めると、腿の付け根が焼けるように熱い。
熱が先に出てしまったけど、ここで一度、時間を戻す。
スマホの充電が12%で、それだけ妙に覚えてる。
触れられない生活に疲れて、自分でも驚くほど大胆になっていた。
結婚してからずっと、女として見られることがぷつりと止まっていたことに、慣れてしまっていた。
圭さんは習い事の同期。近所でも噂になりかねない相手だと、何度も自分に言い聞かせた。
隣に引っ越してきた圭さんの、荷ほどきを手伝った。
ってかなぜだか強く残っているのは、効きすぎた古いエアコンの冷気——それだけは今も色褪せない。
玄関の照明がつけっぱなしで眩しくて、それだけ覚えてる。
手玉に取っているつもりが、いつのまにか夢中だった。
「我慢できてる?」
耳元で名前を囁かれ、太ももが芯から蕩けた。
「麻衣、目、そらさないで」
背中のホックを緩められ、背筋がじんと熱を持った。
ブラウスのボタンをそっと外され、背中が芯から蕩けた。
ストッキングをずらされ、わたしはもっと、と素直にねだった。
内ももを円を描くように擦られ、肩がひくついた。
尖った乳首に熱を持った舌先を感じて、わたしは快感に溺れていった。
「圭さん…んっ…だめ、もっと…!」
「麻衣、声、たまらないよ」
圭さんが胸の先を舌先で転がすと、太ももがひくついた。
圭さんが耳たぶを手のひらで包み込むと、太ももがずくずくと疼いた。
「溶けちゃう…んぅ…!」
最奥をぐりぐりと押し上げられ、ベッドがきしむ音まで恥ずかしく響き、爪先がびくりと跳ねた。
二人分の乱れた息が響くなか、うなじが小刻みに震えた。
(こく、ふるっ)
「おかしくなる…あっ…」
「麻衣、ちゃんと、俺のこと呼んで」
片脚を抱え上げられて深く繋がり、腰がきゅっと縮こまった。
圭さんが浅い場所を焦らすように擦ると、腰が甘く痺れた。
軋むヘッドボードを立てながら、腿の付け根がわなないた。
(ぬちゃ、とくん、ぴくぴく)
「んっ…壊れちゃうぅ…」
全身が硬直して、わたしはしばらく動けなかった。
「んあっ…そこ、そんなにしないで、、、」
その関係は、翌週あっけなく人にバレた。
欲しかったものを手にして、次の連絡を待つ側になった。
終わらせ方が分からない——どうしようもなく。
今でも効きすぎた古いエアコンの冷気を目にすると、あの夜が勝手に立ち上がってくる。